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2018年5月 1日 (火)

第81回 「手仕事と場仕事」

第81回 2018年1月26日(金)

講 師: 藤沢レオ(金属工芸家・彫刻家)

1974年北海道虻田町(洞爺湖町)生まれ。道都大学美術学部卒業、現在同大学非常勤講師(金工)。卒業後ニセコ町ラム工房にて澤田正文氏に師事。1999年樽前artyを発足し、2014年NPO法人化。2016年には帯広美術館、リアス・アーク美術館(宮城県気仙沼)、玄玄天(福島県いわき)などで作品発表。樽前arty+では、地元苫小牧をフィールドに展示会企画。学校での体験講座、行政、企業などとの協働などアートを触媒に社会と関わる。




感性を蘇生させるアートワーク
 

第81回レクチャーは、虻田町生まれの彫刻家藤沢レオにお願いした。藤沢は、道都大学美術学部デザイン学科を卒業後、「ラム工房」の澤田正文氏に師事した。その後独立し、「工房LEO」さらに「樽前arty+」を設立して、現在に至っている。

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藤沢は、これまで主として鉄を素材にして作品づくりをしているが、彫刻作品の「概念」をこえて、より空間や時間を意識した作品づくりに挑んでいる。工芸的アートワークも多数ある。ネームプレートやショップの看板デザイン、鉄と木を組みわあせた家具や照明器具も制作している。
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特に地元(苫小牧、樽前、輪西、飛生など)をとても大切にしてアート活動を展開している。具体的にはオープン参加型の「樽前arty 」を主宰し、「飛生アートコミュニティー」でのアートイベントや北広島での企画展「鉄 強さと優しさの間で」(北広島市芸術文化ホール)などに参加し、茶廊法邑(札幌)や東京での個展開催や、苫小牧市美術館や芸術の森美術館などの公的美術館での展示も多数ある。
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 今回のレクチャーで、映像で紹介してくれた中で、印象ふかく感じたのは、自ら作品制作をプレゼンテーションしながら、地元の小学校などにアート作品を設置していることだった。「待つ」のではなく、自らが前に出て、自分のアート作品の魅力と設置の意義をアッピールする。そして学校側の要望を組みいれながら、恒久的な展示作品を完成していく。仲介業者を介在させることとなく、直接的に話を進めていくわけだ。学校に設置された作品。子供達は成長しても、どこかでそのアート作品を記憶し、自分の思い出の中に組み込まれていく。それはとても素敵なことだ、と想い至った。

また斬新なことにも取り組んでいる。スケートリンクの下に、画用紙で雪の結晶や動物の形をつくり、埋めていく。子供達は滑りながら、足元に広がる絵図を愉しむという試行だ。
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さらに藤沢は、苫小牧市美術館と協力して、地元の学校への「出前授業」にも積極的に取り組んでいる。この出前授業は、子供の感性や創造性を育んでいる。これはとても意義あるものといえる。つまりアートが、閉じられた空間でもある美術館や画廊から離れて、日常の時間空間の中から生まれることを、教えてもいることになる。
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共に手を動かし、作品を生み出す喜びは、何にも増して価値のあることだ。そ
のために学校側や美術館側と、事前の打ち合わせをしながら、1つ1つ積み上げていくこの行為。それを一回性で終わらせることなく、さらに継続し、発展させる。これはなかなかできるものではない。どうも藤沢には、「プロデューサー的才能」もあるようだ。いや、それ以上に、アートを身近なものにしたい、子供達の喜々とした顔をみたい、さらに地元を元気にしたいという、そこには、そんな意識も働いているに違いない、と強く感じた。

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 さて藤沢の作品の魅力について、少し語っておきたい。

藤沢の代表作に水糸を使ったインスタレーションがある。作品はこんな感じだ。水糸を天上から垂らし、その先端に玉をつけて、それを無数に連鎖する。その場の空気に反応して、振り子の原理で糸はゆれていく。これは何をしめしているのであろうか。かなりミニマルな行為の集積だが、揺れることで、見えない風や空気を感じることになる。きわめて静かに、きわめてさりげなく、身と心で何かを感じることを、企図しているようだ。

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 多面的な活動を展開する藤沢レオ。ライオン(レオ)のように、つまり獣的ではなく、むしろ素材をいかしながら、不可視な「気配」や「空気感」を大切にするアート作家。今後も、その感性を現代的に飛翔させてほしいものだ。さらに持ち前の先進的思考を燃えたたせながら、新しい展開も期待したい。(文責・柴橋)

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