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2017年9月 1日 (金)

第77回「デザインの使い方―縦横無尽天衣無縫」

77 2017825日(金)

講 師: 長谷川演(インテリアアーキテクト)

1966年弘前市生まれ。1990年「アトリエテンマ」設立、株式会社アトリエテンマ代表取締役就任。国内外に1000に及ぶプロジェクト、ブランディングを手掛ける。北海道の豊かな時間を伝えるため、「椿サロン赤レンガ店」など、道内に4店舗カフェを展開。オリジナルのプロダクトも手掛ける。他に「NPO法人アトリエテンマデザイン塾」を開塾。デザインのプロ、小・中学校での出張授業、企業経営者に至るまで、デザインを通した人材育成、コーチングにも力を入れている。趣味は華道と茶道。デザインの啓蒙と可能性を日々追い求めている。


生き方も、まさに縦横無尽、天衣無縫

 第77回レクチャーは、1966年に弘前市に生まれた長谷川演(ひろむ)さんにお願いした。題して「デザインの使い方―縦横無尽天衣無縫」。インテリアアーキテクトたる長谷川演、いま「旬の人」である。

Hasegawa1

タイトルの如く、好奇心の赴くまま縦横無尽にジャンルを自在に横断している。90分をオーバーしながら、話は「もの」「ひと」「じかん」を巡って疾走した。はじめに、これまで手掛けた国内外のプロジェクトやプランニングをラッシュでみせてくれたが、あまりの多さに眩暈がするほどだった。その中には、「これも長谷川さんのデザインだったか」というものあった。

Hasegawa2

長谷川は、若い時から、商店建築などの雑誌をみて、さまざまな知識と情報を吸収しながら、自分の空間をデザインすることを「夢」みていたという。独立するまでの「苦労話」が面白かった。最初に務めた会社では、手掛けた店舗が完成するまで一心不乱だったという。仕事が重なると、眠る暇もなく、外を歩いて信号が変わる僅か数秒間に眠りをとったこともあるという。「パンの耳」でお腹を満たしたこともあるという。みずからに超人的な修練を課して、自分の歩むべき方向を見出したようだ

長谷川は、23歳の時、「アトリエテンマ」(1990年)を設立し、そこをベースにして、これまで1000に及ぶさまざまなプロジェクトやプランニングを手掛けてきた。「アトリエテンマ」のコンセプトは、「デザインでもっと豊かにしあわせに」という。そのために、喫茶空間「椿サロン」においては、家具・食器などのプロダクトデザインも手掛けている。その中には、どうにも使うには、不便かなというスコップの形をしたフォークやナイフもあったが、長谷川はつねに「素材」を大切にしながら、「これまでにない」ものを目指してチェレンジしている。日高のカフェは、別名「夕焼け店」といい、「夕陽」を素材にしている。日没で店を閉じるという。まさに日高の海に沈む夕日を堪能するカフェだ。

Hasegawa3

話を聞きながら、私はこの人の「ものづくりのスタイル」と、それを動かす指令基地となる「脳内構造」はどうなっているか考えてみた。まず「ものづくりのスタイル」であるが、どうも「思索型」ではなく、「直感型」タイプのようだ。つまりまず「行動」し、そこから状況を切りひらくという「実践派」にみえる。もう1つの「脳内構造」であるが、実に「柔らかい構造体」となっているようにみえる。なによりも、彼の脳は、「面白いこと」「楽しい空間」を「夢」みることでより活性化するようになっている。これは、独創的なモノを造りだす人の特質でもある。私は、これを「柔らかい脳」とよんでいる。まさに長谷川演は、「柔らかい脳」を全開させながら、つねに古いものを捨てながら、新規なものに挑んでいる。そして、これまでにないものをクリエートすることで、脳はさらに柔らかいくなり、より活性化するわけだ。つねにこれを反復することで、脳内構造は生動化にむかうわけだ。

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長谷川演は、店舗空間づくりと平行して、担い手づくりをめざして「デザインコーチング」を行っている。そこでは「デザイン」というものが、いかに「創造的行為」であるかということを、教えていきたいという熱望に支えられている。特に未来の大人となる子供達に、それを定着させることを目指し、チームを組んで小学校に出前授業している。「デザイン」することが、いかに楽しいことか、どんなに創造的なことであるか、それを実体験させている。つまり子供達に「デザイン」を「身体化」させているわけだ。実践的なキャリア教育であり、全国から高い評価をうけている。ことに取り組んでいる。長谷川は、さらに別な顔をもっている。茶道(裏千家)、お花(池坊)を嗜み、雑誌にエッセイを連載し、さらに「ブログ」にも熱心に取り組んでいる。まさに生活そのものも天衣無縫である。

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これからもペガサス(天馬)のごとく、さまざまなジャンルを横断して、飛翔していくことを願っている。(文責・柴橋)

 

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